神々の棲む、浜比嘉島。流れる島唄とかけがえのないスロータイムをあなたに。

332

密度の濃い仕事や人間関係。

ちょっと疲れたな、そんな気持ちになったら、神々の棲むこの島へいってみませんか?

沖縄の市街地から車を走らせ、その日の午前中は、“日本の青い洞窟”と言われている真栄田岬で南の島らしくシュノーケルを楽しみ、お昼にはタコライスをぺろりと食べ、食後にはちんすこう味のアイスをなめる・・・

とそんな沖縄らしい観光を経て、うるまからレンタカーを走らせて浜比嘉島入りをすることにしました。

浜比嘉島は“神々が棲む島“といわれるパワースポットです。
延々とまっすぐ続く海中道路は、干ばつのときには陸と変わる遠浅の海に架かった橋。
長さは勝連半島から平安座島までの4.7㎞にも及び、青い海を突っ切るようにまっすぐ伸びるのがこの海中道路で、沖縄の街中では見られない絶景は今までに走ったことのない爽快感が味わえる道路となっています。

視線をこらすと水上パラグライダーを楽しむ人の姿も。
透明度もあるのでしょう。エメラルドグリーンの色彩が360度広がっています。

海中道路を渡り平安座島へ渡ったら、またすぐに折れ、浜比嘉島へと渡ります。
浜比嘉島には浜地区、比嘉地区の二つの集落がありますが、観光地ではないため島内の移動経路も整っていません。
民家の間を慎重に進み、道なき道は歩く、そんな感じの静かな島でした。

なぜここに私が向かったのかと言うと、ここ浜比嘉島が「神々が住む島」と呼ばれるゆえんの、沖縄を作ったといわれる神話の男女神“アマミチュー”と“シルミチュー”にまつわるスポットが点在している強力なパワースポットといわれているから。

まず、浜比嘉島に渡りすぐに行くことができるのが、「アマミチューのお墓」がある小島です。
美しい亀甲模様の石畳で続く歩道を進むと、不可解なバランスで立っている岩がその目印。
ね、もうすでに不思議な世界に足を踏み入れたようですよね?
お墓は祠のようになっており、沖縄にはこうした神聖な祭事を執り行う“御獄(うたき)”と呼ばれる場所がたくさん残されていて、スピリチュアルなスポットとして静かに注目されているのです。

うるま市指定文化財・アマミチューのお墓は、洞穴の岩屋の中。琉球開びゃく伝説のアマミチュー・シルミチューの男女二神と他の神もともに祀られています。

続いて向かった「シルミチュー霊場」は、さきほどの小島から再び民家の間を抜け、マップによると細く険しいぐねぐねとした山道と100段ほどもある階段を上り鳥居をくぐった先にある洞窟状の御獄(うたき)。
車を駐車場に置き、しばらく琉球のやんばる(山原)道を歩くのです。
色濃い緑と湿気を含んだ空気を進むうち、鳥肌が立つような神妙な雰囲気に私たちも口数少なく歩き続けました。
森の奥から、誰かが?何かが?じっと見つめているような視線を感じるのです・・・

不思議ですね。
ここは町の指定文化財になっているかなり大きな洞穴で、ここにアマミチューとシルミチューが住まい子どもを授かった場所と言われることから“子宝に恵まれる場所”とも崇められているそうです。
平成の現代になってもノロと呼ばれる巫女さんのような祝女が霊場に海の石を捧げたりと、神事も行われていると聞きました。

神聖な場所なのでむやみに霊場の扉に触れたり、中を覗いたりはできません。
信仰の深い信者さんが足繁く通うところなので、マナーを守り静かに参拝していくのがマナー。

霊場から降りていく途中にロッジがあり、オーナーのおじさんが200円ほどでガイドをしてくださると看板にあったので、お願いしました。
アマミチュー・シルミチューの伝説を聞きながら、神秘的な深い森を一緒に歩いていきます。
ミルク門と呼ばれるこの不思議な岩と岩の重なった御獄(うたき)のすき間は、「すーっと風がラナイ(天国)から吹くんだよ」とおじさんがいうまたまた不思議な場所。
岩の壁面には人のような影が浮かび上がり、神の姿と信仰もされているとか。
くぐると沖縄にいることを一瞬忘れそうな涼しい風が吹き込み、確かに神秘的な冷気が。
自然に包まれた中で琉球の始まりを学びながら、自分の中のひずみも濾過されていくような、そんな清々しさがある森です。
森の頂上の展望台に上ると浜比嘉島が一望でき、まだ観光地として手が入らない神話に包まれたこの美しい島にうっとりと見惚れてしまいます。

すっかり森と神話に魅せられながら山を降りたら、なんと帰りにはガイドのおじさんのお店でソフトドリンクのサービスがあると言うではないですか。
実際にはガイド料と言いつつもこのドリンク代を差し引けば案内は無料。
完全におじさんの趣味で旅人に伝説を伝えているのかもしれません。

アイスコーヒーと灰皿を出すと、おじさんは奥に消えてしまいました。
残された私たちはというと、非日常感に包まれた目の前に続く森と神秘の岩々の迫力に圧倒され、ただただ見つめるだけ。時間がゆっくり流れていくのに身を任せます。
ラジオから流れてくるのは「島唄」。
沖縄の人たちのニライカナイへの思い、それはそれは果てしないほどの平和への願い。
沖縄のやんばる(山原)の色濃い緑、そして青い空と海・・・

そこには綺麗だけど、それだけではない強さと、神聖さがあります。

浜比嘉島はまだあまり知られてはいませんが、海中道路もでき橋で自由に行き来できるようになりました。
沖縄のスロータイムを愛でるには最高!
小さな島なので、村のマナーを守りつつ、ぜひみなさんにも訪れてみてほしい場所です。

「アマミチューの墓」

沖縄県中頭郡勝連町比嘉105

「シルミチュー霊場」

沖縄県うるま市勝連比嘉1606-33

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

この記事をシェア
苺子
日本47都道府県をぐるっと回って、今は海外も遠征中。 極度の方向音痴で、星座の位置と海鳥の鳴き声で方角を読むというアナログ型人間。 カメラが好きだけど好きなだけ。おいしいものも好きだけど食べるだけ。