
沖縄県の石垣島、そこからさらに船に乗って45分ほどで行くことができる西表島。離島とはいえ石垣島よりも広い面積を持ち、沖縄には欠かせない海の魅力を持ちながら、内陸部では緑の魅力もたくさんあるのが他の島と少し違っているポイントです。
そんな島の川を散策するためのアクティビティも西表島では人気となっています。中でも、リバークルーズは手軽に川沿いに生息するマングローブ植物や上流にある滝などを楽しむことができるため、筆者としてもオススメです。
今回は筆者が参加した2つのクルーズの魅力をご紹介するので、訪問の際に好みに合わせて実際に体験してみてください。
目次
①迫力満点!2つの滝をめぐる「浦内川クルーズ」
浦内川クルーズとは?
まずご紹介するのは浦内川でのクルーズです。浦内川は西表島の中央部を流れる沖縄県内最長の川で、上流には2つの滝があるので多くの観光客が参加する人気のクルーズとなっています。
クルーズは1日に6便(繁忙期は特別便もあり)運航されていて、所要時間は3時間となります。クルーズの料金は1800円(子供は900円)とかなりリーズナブル。
クルーズが始まると早速ガイドさんの解説が始まります。川沿いには様々なマングローブ植物が生えているので、解説を聞きながらそのいろいろな種類を見分けていきましょう。
なお、西表島で見ることができるマングローブ植物の種類は7種類。なんと日本で生息する全ての種類を見られる島なのです。
こちらはヤエヤマヒルギ。このように名前が表記されているものもあるのでわかりやすいですね。
西表島に到着するとすぐにその緑の力強さを感じることができると思いますが、クルーズで川の上流へ行けばさらにその緑の深さに驚くことでしょう。
クルーズ自体は30分ほど続くので、マングローブ植物に加えてヤシの木やシダ植物など南国ならではの景色を存分に楽しみましょう。
軍艦岩に到着、「マリユドゥの滝」を目指す
クルーズで上がっていけるのはこちらの軍艦岩までとなります。ここからは各々自由に散策する時間なので、奥にある滝を見にいきましょう。まずは歩いて30分ほどで到着するマリユドゥの滝の展望台を目指します。
大きな見どころは2つの滝なのですが、その途中の道の景色もなかなか見ごたえがありますので、気になったところは止まって写真などを撮りながら進むことをオススメします。
この写真のように、特に名前が付けられている名所というわけではなくても足を止める価値のある魅力的な景色が広がっていますよ。
なお、雨が降っている時はもちろんのこと、雨が降ったあと数日は散策道がぬかるんでいる可能性が高く、滑りやすいので足元には注意しましょう。登山靴やトレッッキングシューズ等であれば問題ありませんが、スニーカーやサンダルでは歩きづらかったり汚れてしまったりするので、船乗り場でスタッフの方にその日の状況を聞いてみましょう。
乗り場には、長靴が用意されているのでこちらを有効に利用してくださいね。ちなみに、散策道はきれいに整備されているというわけではなく、自然の道といったものですが、それほど勾配が急なところが続くというわけではないので、本格的な装備などは必要ありません。
さて、そんな道を30分ほど歩くと展望台に辿り着きます。ここから見ることができるのが、一つ目の見どころであるマリユドゥの滝。
マリユドゥというのは「丸い淀み」という意味で、滝壺が丸いことからその名前がつけられたと言われています。上流からの流れが2段落ちている様子は遠くからでもその迫力を感じることができます。
滝の展望台は東屋のようになっていますし、ここまでで全行程の3分の2ほど歩いたことになるので、休憩を取るのもいいと思います。
さらに「カンビレーの滝」へ
マリユドゥの滝展望台からさらに奥へと進むこと15分ほど。もう一つの見どころであるカンビレーの滝に到着です。
カンビレーというのは神の座を意味しており、ここは島の中でも聖地とされている場所。その空気はとても気持ちよく、滝のそばの岩場まで歩いて降りていくことも可能です。
マリユドゥの滝と違い、落差はそれほどなくなだらかな流れではありますが、川幅は広く岩場付近を流れていく水流は充分な見ごたえがありますよ。
ここまで歩いて45分ほど。充分楽しんだら帰りの船の時間に合わせて来た道を戻れば浦内川クルーズは終了となります。
②日本最大のマングローブ林を楽しむ「仲間川クルーズ」
仲間川クルーズとは?
もう一つご紹介するのは西表島の東南部を流れる仲間川でのクルーズです。こちらは大原港から船で出発するので、石垣島から到着してすぐに参加することも可能です。
料金は浦内川のクルーズと同じ1800円(子供900円)で、所要時間は60〜70分ほどと、より短いコースとなります。
仲間川は浦内川ほど長い川ではありませんが、そのマングローブ植物の面積がなんと日本最大。日本におけるマングローブ植物の総面積の実に25%がここ仲間川のものなのです。
浦内川では見られないマヤプシキという種類のマングローブ植物もあるので、ガイドさんの解説を聞いて見逃さないように。
マヤプシキはマングローブ植物の中でも特に海に近い場所に生息しており、水面ギリギリまで枝を伸ばすという特徴があります。
最大の見所は日本最大のサキシマスオウノキ
出発してから30分ほどである地点に到着。ここで見られるのが日本最大のサキシマスオウノキです。
サキシマスオウノキというのは西表島や石垣島などで見られる南国特有の植物で、その大きな根っこが特徴的。これは板根(ばんこん)と言われる板状の根っこで、1年で約1cm伸びるとされています。
こちらのサキシマスオウノキの最も大きな板根は高さが3m以上あることから、推定樹齢は300年以上。木のすぐそばまで近づくことはできませんが、人の背丈を優に越す根っこは迫力満点ですし、そこから上に伸びる木ももちろん見ごたえ抜群です。
船が着いた場所からすぐの場所にあるので、特にトレッキングなどの用意も必要ありませんよ。
ただ、時間帯によっては干潮になってしまってこの船着場まで船が来れない時があります。その場合はマングローブ林の見学だけとなってしまいますので、サキシマスオウノキを見たいなら、事前にクルーズと干潮の時間を調べておきましょう。
クルーズで手軽に西表島の自然を楽しもう
ご紹介した2つのクルーズは島内でも人気のもので、事前予約なしで気軽に参加可能なものでしたが、ガイド付きのトレッキングツアーなど内陸部をより満喫できるものもあります。
以前にご紹介したピナイサーラの滝へ行くカヤック&トレッキングツアーもそうですが、西表島では様々なアクティビティが用意されているので、ぜひクルーズも利用して西表島の自然を堪能してみてください。
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