ミッション:口永良部島に行ってみたいと思える飲食店をプロデュース!プロジェクトに関わる大学生の想いをご紹介!

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離島キッチンが東京六大学(早稲田大学・慶應義塾大学・明治大学・法政大学・東京大学・立教大学)とともに2017年6月から始めた離島活性化のための企画”IDEA KITCHEN”プロジェクトが、新東京店のオープンに合わせ、パワーアップ!

現在、離島キッチン 日本橋店(東京都中央区)にて「口永良部島フェア」が開催中(4月1日〜30日)です。

今回は、慶應義塾大学の「口永良部島プロジェクト」に関わっている大学生の想いをご紹介します。

口永良部島について

鹿児島県熊毛郡屋久島町 口永良部島は、屋久島の北西12kmに位置している島です。雄大な火山と美しいエメラルドグリーンの海と共に約100人の島民が助け合いながら暮らしています。

国立公園の石碑

薩南火山群島最大の火山島でありながら、照葉樹林や竹林に覆われ、「緑の火山島」とも呼ばれています。島全域が国立公園に指定される他、ユネスコエコパークにも認定されるなど、自然の豊かさは世界レベル。火山島だけあって名湯に恵まれており、島内には4つの施設があります。その他にも寝待の立神付近や向江浜に天然の海中温泉も。

港の様子

また、口永良部島の周辺海域は、黒潮と親潮の混ざり合うため様々な魚が生息しており、磯釣りポイントが多く点在。年間を通して様々な釣りが楽しめます。ダイバーにとっても、サンゴ礁に泳ぐ色鮮やかな熱帯魚や大きな回遊魚、そして海底の地形まで楽しめる魅力的なポイントがたくさんあります。海の豊かさから、数十年前から広島大学の海洋研究チームが口永良部島で研究を行っています。

一方で、若者世代の島離れという問題が生じている現状も。働く場所が少ないことや、小学生5人・中学生6人、高齢者率30.8%(平成29年10月現在)と少子高齢化が進み、更に、島には高校がなく中学卒業と共に島を出なくてはならないことが、若者世代の島離れを加速させています。

口永良部島プロジェクトについて

口永良部島プロジェクトは2011年に発足し、以後7年に渡り「地域と大学の協働による地域活性」を目指し活動を続けている慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(通称SFC)長谷部葉子研究会の一プロジェクトです。

口永良部島(くちのえらぶじま)とは鹿児島県熊毛郡屋久島町に位置する「離島の離島」であり、また自然豊かな火山島でもあります。現在は100名ほどの島民が暮らし、子どもから大人まで全員で一つの島社会を回しています。

数ある離島の中でなぜ口永良部島なのか

プロジェクトの設立者である学生が初めて口永良部島を訪れたのは2010年、国土交通省の事業「島ナビ学生隊」への参加によるものでした。集まった都市部の学生が過疎地域の地域活性に向けたプランを地域住民に提案するという事業の最終盤、まさにそのプランを提案している最中、島のある方が放った一言は「島に暮らしてもいないお前たちに何がわかるのか」というものでした。その時の島民の熱量、真剣味に魅せられ、そしてそうした島をどうにかしようと働く本気な大人たちの存在に学生が挑むフィールドとしての可能性を強く感じ、口永良部島という「他人の故郷」で、プロジェクト活動を開始しました。

フェリーが台風で決行したため、漁船でえらぶへ

島に暮らしていないから分からない事があるのならば、まずは暮らそう、ということで古民家を一軒拝借するところから活動は始まります。そうして学生は島を尋ねては、2〜3日の滞在ではなく、 1週間〜数週間、中には1〜2ヶ月ほどの時間(主に大学の春休みや夏休みを利用して)を過ごし、島の方とも知り合っていきました。「島で暮らす」というのは島の方の生活観、リズム感の中で日常をともにするということです。関係性のない当初は煙たがられながらも(なにせ土をいじったこともなければ、草刈り等に使う農具も触ったことがないような「何もできない学生」なので)、言葉通り「お邪魔します!何かお手伝いできることはありますか!」と島の方のところに押しかけては、農作業や海岸の清掃、お祭りなどの地域行事の準備などを手伝わせてもらい、そうして夜はご飯の席に呼んでもらいながら語り合う、そうして段々に最初に言われた「島に暮らしてもいないお前たちに何がわかるのか」という言葉の真意を理解していきました。

半年間の長期滞在中、島で唯一の会社(久木山運送)にて働く姿
拝借している古民家での一コマ
夏祭りのでの一コマ

どんな活動をしているのか

大学の活動としては、離島と都市部のそれぞれの長所と短所を掛け合わせた「高校生研修」という、都市部の高校生を夏休みの2週間ほどの期間で口永良部島に連れていき、島の方のところでのホームステイ等を通して島暮らしを体験してもらう研修の設計から始まりました。「離島と都市部のそれぞれの長所と短所を掛け合わせる」とは、例えば島内には都市部が欠いている自然や地域性に触れる機会が多いものの、とりわけ子どもたちにとっては高校生というロールモデルが島内にいなかったり、島外の価値観との交流機会があまりない問題等を双方向の交流により解決し合えないかというものです。

また、そうした活動を継続する傍ら、島の方に大学の活動や大学生そのものについて依然理解してもらえてない、伝わっていないことを強く感じた学生が2013年に大学を休学し1年間口永良部島で暮らすことを決意するなど、互いがオーナーシップを持ち合う協働活動への意識も常にありました(ちなみに現在に至るまで計6名の学生が半年〜1年間の期間を、口永良部島か口永良部島の管轄行政である屋久島町役場に入り、プロジェクト活動につなげてきました)。そうした長期的に地域で暮らした学生から、学生が大学での学びを地域社会で実践しながら、学生の成長はもちろん地域課題の解決に寄与するカリキュラム作成の提言を大学に対して行ったり、2014年、2015年と立て続けに大規模な火山の噴火に見舞われた口永良部島に対して、それまでの信頼関係を元に支援活動を行ったりと、口永良部島と慶應義塾大学口永良部島プロジェクトの関係性の更新と活動の様々な展開を続けてきました。

島の未来を考える場所作り「これから研究室」の開設
こどもたちの勉強を手伝う「寺子屋」(島の人の要望で始まった活動)
寺子屋企画 映像ワークショップ こどもたち一人一人「えらぶの好きなところ」をテーマに映像を撮影。編集後、番組形式で発表

離島キッチンとの取り組み

そんな彼らが新たに取り組むのが、全国の離島の食材を利用し料理を提供する株式会社離島キッチンにおいて、普段決して出回ることのない口永良部島の食材、料理を提供することです。

この背景には食を通じて魅力ある口永良部島、そしてそこで暮らす人々の様子が伝わればいいなという想いを始め、その結果口永良部島に実際に足を運んでもらえたらという想いももちろんあります。同時に、島の食材を外に、それも東京の飲食店に出すというのは口永良部島にとっても初めてのこと、挑戦的なことではありますが、島の方が新たに「できる」「できた」と感じられることを増やしていくことに大学としての役割も「口永良部島を子々孫々と残していきたい」という多くの島の方の想いの実現もあると強く信じています。

ここまでくるのに、様々な島の方の、多大な協力のもとに成り立っていることを心の底から実感しています。こうした島民と学生がともに取り組む姿は、プロジェクト発足当初は考えられないものでした。それが7年の歳月を経て、島民と学生ともに変化し合っているのです。

港の様子

離島振興法の成立に尽力した民俗学者である宮本常一は、研究活動が時に地域住民にとって不利益をもたらしているのではないかという弟子の相談に「仲間だと思われればいいんじゃよ」と説いたそうです。口永良部島プロジェクトは地域と大学という二者が、互いの持ち味を持ち寄り、対等な仲間として社会課題を解決する関係性のあり方(モデル)を、学生一人ひとりと島の方との関わりの中から見出す活動でもあります。

本村温泉にて販売する口永良部島Tシャツ 2年生3人
建築の池田研究会 竹シェルの施工様子

メンバーからのコメント

①佐藤崚平(総合政策学部4年/2017年度プロジェクトリーダー)

「離島のプロジェクトなんて泥臭そうだし大変そう。」そんな気持ちを持っていた私だが、気がつけば口永良部島と関わり始めて早二年が経つ。私は上のような気持ちを抱きながらも、このプロジェクトに全人格的に関わる熱い先輩方に魅せられ、「自分もそんなかっこいい人間になりたい。」そう思ってこのプロジェクトに入ることを決めた。そして、そんな私をもっと虜にしたのもまた”人”であった。口永良部島の人は、深い「愛」を持った方々だと感じる。島に行けば、「そんなこともできないのか」と叱られることもあれば、「成長したな」と褒めてくれることもある。島の方々は学生を一人の人間としてみてくれるまるで親のような存在だ。そんな方々がいるからこそ私はこの島で勝負がしたいと強く思っている。離島という環境が持つ価値、可能性を自らの経験をもとに探求しこれからの日本社会に還元していきたい。そしてなにより、第二の故郷である口永良部島に恩返しをしたい。

②羽地孝介(総合政策学部2年/2018年度プロジェクトリーダー)

私が口永良部島プロジェクトに所属したのは、2017年8月。2回に及ぶ渡航を経て、コバルトブルーの透明な海、地域の温かさ、そしてなにより島民の力強く生きる姿勢に触れ、私は口永良部島の大ファンになっていた。また、学生が自由に考え自由に行動できるSFCの長谷部葉子研究会という環境にも感銘を受け、大学生活をこのプロジェクトに捧げたいと思った。2018年4月からプロジェクトリーダーになる。自分の将来の夢は実業家になることである。大学生という立場で「教育」と「ビジネス」を切り口に口永良部島へ、持続可能な形でイノベーションを起こしたい。口永良部島は自分にとって、「挑戦の場」である。「島と一緒に成長したい」、そんな想いでこれからも口永良部島色全開の大学生活を送っていく。

プロジェクトについてもっと知りたい!?

ぜひ、開催中の「口永良部島フェア」に足をお運びください。

離島キッチンについて

離島キッチンは、島根県海士町の一般社団法人海士町観光協会と北海道利尻島のNPO法人利尻ふる里・島づくりセンターが運営する、飲食店型アンテナショップ。全国の島どうしが手をつなぎ、都道府県の垣根を越えたつながりを全国の島の方々やお客様と共有することを夢見て、東京の神楽坂と日本橋、福岡、札幌の4店舗でレストラン事業と物販事業を行っている。

公式サイト:http://ritokitchen.com/

IDEA KITCHEN PROJECTについて

離島キッチンを訪れたお客様が実際に島へ足を運ぶアクションをさらに促すため、「島に行きたくなる」店づくりのための新しい施策を学生や他業種の方々とともに考え、そのアイディアを実際の店舗に実装する実験型店舗経営プロジェクト。東京・三越前に今年オープンした日本橋店が主な拠点となっている。

東京六大学プロジェクトについて

IDEA KITCHEN PROJECTで行う最初のプロジェクト。六大学の学生が自ら島へと足を運び、島の人々と交流して、その魅力をより多くの人々に伝えていくための1か月間の店舗をプロデュースする。学生に課されたミッションは、「一度は離島に行ってみたいと思える飲食店をプロデュースし、売上目標を達成すること」。学生はこの目標に向けて、島の方々のご協力の元、 離島キッチンスタッフはもちろん様々な業種の方々からフィードバックをいただきつつ、選んだ島をテーマにしたメニュー作成や内装デザイン、プロモーションを企画する。

口永良部島フェア概要

開催日時:4月1日〜4月30日
場所:離島キッチン 日本橋店
(東京都中央区日本橋室町2-4-3日本橋室町野村ビルB1)
アクセス:
東京メトロ銀座線・半蔵門線 三越前駅A9出口徒歩1分
JR総武快速線新日本橋徒歩3分(駅直結)

参考:https://hitosara.com/0006107874/special.html

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