黒島(長崎)の特産・御影石 島内で唯一採石・加工を行う宝亀(ほうき)石材

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黒島の特産品 御影石の加工 宝亀石材
御影石を磨く工程

最初に長崎県佐世保市の黒島を訪れた時、「黒島は掘れば御影石がごろごろ出てくる」そんな話を島民の方から聞きました。

「え?御影石って高いんじゃないの?」「墓石に使われている石だよね?」「そんな石がごろごろ出てくるなんてスゴイ!」そう思ったのがきっかけ。

黒島御影石のことがもっと知りたくなって、島内で石材業を営む宝亀(ほうき)石材さんにお話を聞いてきました。

赤土の島・黒島で生まれた御影石(みかげいし)

長崎県 黒島 赤土の土壌
黒島(長崎)は島全体が赤土です。

黒島は島全体が赤土です。

この赤土は閃緑岩(せんりょくがん)が風化してできたものだということ。

閃緑岩は、花崗岩や斑れい岩と共に「御影石(みかげいし)」と呼ばれています。

太古の昔、黒島は大きな大きな御影石で出来た島だったのかもしれませんね。

現在、閃緑岩の国内での採掘量はかなり少なく、墓石に使う際は中国から輸入していることが多いのだそう。

そのため、国産の閃緑岩は貴重なものとして扱われています。

現在、島内で唯一採石・加工を行う宝亀石材

長崎県佐世保市・黒島 宝亀石材
島内で採石・加工までを一環して行うのは宝亀石材のみです。

黒島御影石の歴史は江戸時代にまでさかのぼります。

明治時代になると組織的な採石が始まり、黒島の石材業が確立されると共に、黒島天主堂の礎石などにも黒島御影石が使われました。

昭和初期には10業者ほどの石材業者があったそうですが、現在、島内で黒島御影石を切り出し、加工までを行うのは宝亀石材のみに。

黒島 御影石 ほうき石材
宝亀石材の加工場

宝亀石材は、黒島郵便局の隣とその近くに加工場とショールームを構えています。

私たちが加工場を訪れると、研磨作業の途中でした。

加工場の中には、長く愛用されてきた研磨盤や石を吊り上げるための滑車、石に文字を彫るために使う箱などが置いてあります。

石材の加工場はおろか、石材店を訪れるのが初めての私にとっては、どれも見たことがないものばかり。

ちょっとした社会科見学気分が味わえました。

熟練の職人さんの感覚で丁寧に磨かれる黒島御影石

黒島の特産品 御影石の加工 宝亀石材
御影石を磨く工程

石材の研磨工程は、適度な大きさに石を切断した後、荒磨き、水磨き、ツヤを出す本磨きと何度も磨きをかけます。

金属とは異なり、御影石の研磨のしやすさや鏡面に仕上げる際の難易度は、石の性質によって異なるのだとか。

天然の素材が相手だからこそ経験や勘が必要とされるのですね。

御影石 研磨 工程写真
研磨パッドを交換します。

研磨パッドを交換し工程が進むと、御影石にツヤが出てきました。

サイズや形、細工などにもよりますが、通常、石の加工には10日~1ヶ月ほどかかると言います。

採石から磨きまでは、本当に根気がいる作業。

さらに、墓石や石碑に彫られている文字も手作業だと聞いて驚きました。

何でも機械で出来てしまう昨今、レーザー加工などで彫るのかな?と勝手に想像していたのです。

御影石に文字を彫る
御影石に文字を彫るのは手作業です

彫った石の粉が飛び散るという理由から、大きなロッカーのような箱の中に石を置き、穴の中に両手を入れ、窓から中を覗いて文字を彫るそうです。

目の前にある石に文字を彫るだけでも大変なのに、箱の中に置いて彫るなんて!

そこには熟練の技が必要だと解ります。

黒島御影石で作るものは?黒島御影石をお土産にしよう

黒島御影石
黒島御影石

御影石で作られた代表的な建造物は、国会議事堂や迎賓館、日本銀行本店。

また、駅の階段や舗道など丈夫で長持ちすることが求められる場所には御影石が多く使われています。

なので、墓石や表札、記念碑などの素材にもなるのですね。

私たちが御影石と聞いて一番に思い浮かぶ墓石は、宝亀石材でも現在の注文の多くを占めているのだそう。

黒島から採石される閃緑岩は、風化に強く光沢が出やすい性質から墓石の石材として重宝されています。

カトリック 墓石 宝亀石材
黒島ではカトリックの墓石も黒島御影石で作られます。

宝亀石材のショールームでは、ちょうど注文を受けていた墓石を見せていただくことが出来ました。

こちらはカトリックの墓石。

島民の8割がクリスチャンである黒島では、カトリックの墓石も御影石で作られています。

昔は、人づてに注文が入り、神戸にまで墓石を届けたこともあったのだとか。

黒島御影石 お土産
黒島ウエルカムハウスには宝亀石材が加工した黒島御影石のお土産が売っています。

でも、さすがに墓石をお土産に買って帰るのは難しいもの。

黒島ウエルカムハウスでは、お土産用に宝亀石材が加工した黒島御影石のコースターや表札、文鎮が売っていました。

コースターや表札、文鎮といってもある程度の厚みがあるしっかりした御影石の板なので、流行のストーンプレートとして使っても良さそう。

お値段も墓石から想像する御影石の価格から比べると、とてもお手ごろでした。

黒島を訪れた際は、ぜひ、お土産に手に入れてみてくださいね。

黒島島内で御影石を探そう

蕨展望台の黒島御影石
蕨展望台でも黒島御影石が使われています。

黒島では至る所に御影石が使われています。

蕨(わらべ)展望所に置いてあるのも御影石で作られたテーブルと椅子。

宝亀石材近くにある黒嶋神社の標識も御影石で出来ていました。

黒島天主堂 柱基礎 御影石
黒島天主堂の柱基礎は御影石で出来ています。

また、黒島天主堂の柱基礎にも御影石が使われています。

「黒島特産の御影石が支える束ね柱」については、こちらの記事で紹介しています。

日本人信徒たちによって建てられた歴史的建築物「黒島天主堂」の魅力に迫る

編集部記:黒島天主堂(黒島教会)は、国の指定重要文化財であり、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」構成資産の1つとして2018年夏に世界遺産(世界文化遺産)登録された「黒島の集落」に含まれています。

黒島を巡りながら御影石を探すのも楽しいかも?

貴重な国産の御影石が黒島にはたくさんあります。

宝亀石材
長崎県佐世保市黒島町230-17

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