世界遺産、小笠原父島の海で出会う感動

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小笠原諸島。2011年にユネスコ世界遺産に登録されたこともあり、その名前を知る人は多くなりましたが、実際に足を踏み入れたことがあるという方は少ないのではないでしょうか。

それはそうでしょう。なぜなら小笠原諸島の玄関口である父島へ行く手段は船のみ。しかもその航海時間は24時間…一度船に乗ってしまえば丸一日以上海の上です。でも、だからこそ出会える感動が小笠原にはあるのです。

今回は父島の海のアクティビティで出会える感動を3つご紹介します。

父島発、海のアクティビティ

海のアクティビティ、と聞くとまず思い浮かべるのがシュノーケリングやダイビングでしょう。もちろん、それもできます。が、それだけで終わらないのが小笠原。早速ツアーに申し込み、船に飛び乗りましょう。

絶景スポット南島

海に出た直後から水の透明度がかなり高く、これだけで「南国の楽園だー!」と唸ってしまうこと請け合いですが、さらなる絶景が南島には待っています。

南島は父島南西の海に浮く小さな無人島。島自体が天然記念物に指定されており、ガイドなしでは行くことができません。また冬季(11月~2月頃)には上陸が禁止、1日の内に上陸できるのは100人、滞在時間は2時間まで、と様々なルールで守られている島なのです。

島への上陸はサメ池という名前の入り江から。もちろん船着き場なんてものはないので、岩場のそばに船が一時停止して船の舳先から島に上陸することになります。岩場はゴツゴツしていて決して足場はよくないので、歩きやすく滑りにくい靴(あるいはサンダル)を履いていくことをお忘れなく。

上陸後、ガイドさんが連れて行ってくれるのは南島の全景を見渡せる高台の場所。天然の展望台とも言えるポイントです。

そこからの景色、まさに感動の絶景です。

左手には上陸したサメ池、右手には外海と小さな穴でつながっている扇池。高台から見た扇池の景色は小笠原諸島の旅行パンフレットなどで使われているので、もしかしたら見たことがあるという方もいらっしゃるかも?

ガイドさんが撮ってくれました。とても都内で撮ったとは思えない絶景ですよね。

もちろん近くで見てもその美しさは変わりません。むしろ水の透明度がよりわかるでしょう。入ることも可能なので先ほど同様こちらの扇池で記念撮影をするのもオススメです。

また白い浜辺にゴロゴロと転がっているヒロベソカタマイマイの半化石、海水と真水が混ざった状態の陰陽池など見どころに溢れています。滞在時間が限られてはいますが、その分大事に南島を満喫してくださいね。

大迫力のホエールウォッチング

海のアクティビティの3つの大きな見どころ、次にご紹介するのはホエールウォッチングです。小笠原で見られるクジラは2種類で、それぞれシーズンが異なります。ザトウクジラは12月~5月初旬頃まで、マッコウクジラは通年。

今回筆者が出会ったのはザトウクジラでした。

ちなみにホエールウォッチングはいつ始まるかわかりません。というのも、クジラがどこにいるかは船長さんやガイドさんにもわからないため、クジラが水面に出てきたタイミングがウォッチング開始の合図となります。

クジラってそんなに簡単に出会えるの?という疑問もあるでしょう。もちろん自然や生き物相手のアクティビティなので、絶対はありません。しかしながら、小笠原では船同士の連携もありますし、生息しているクジラの数も多いため高確率で見ることが可能となっています。

現に筆者は2日間で数えきれないほどのクジラと出会うことができました。

では、ホエールウォッチングをする時に注目したいクジラの動きをここでまとめておきたいと思います。

1.ブロー

まずはブロー、いわゆる潮吹きです。

ザトウクジラの潮吹きは水面から4m程あがるので、見た目にもかなり迫力があります。が、それ以上に重要なのは、遠くからでも確認しやすいということ。

クジラが出てきたらウォッチングが開始と言いましたが、水面から背中が出ていても気がつかないこともあり得ます。ですが、ブローはかなり遠くからでも見つけやすく、しかも消えるまでに数秒間かかるので、クジラを見つける目印となるのです。

クジラを探す時はブローを探す、これが一早くクジラを見つけるコツです。

2.フルークアップ(もしくはフルークダウン)

クジラの大きな特徴といえば、その巨大な尾ヒレ。ただ泳いでいる姿を見ているだけではあまり見られない部分ではありますが、尾ヒレが水上に出てよく見えるタイミングというのがあります。それが、潜る寸前の瞬間。

クジラは深く潜る前に背中をグッと丸めます。そのため、丸くなる背中を見つけたらそのまま注目しましょう。胴体がどんどん潜っていき、最後に尾ヒレだけが水上に現れそのまま水中へ消えていきます。

この時に尾ヒレの裏を見せるのがフルークアップ、見えないのがフルークダウンと呼ばれています。

クジラの行動は基本的に突然始まり突然終わるので、次の動きを読みづらいのですがこのフルークアップ(ダウン)だけは先読みできるので、丸まった背中を見つけたらそのまま潜水まで見逃さないように。

3.ブリーチング

そしてクジラの迫力が抜群に感じられるアクションがありますよね。そう、ジャンプです。

巨大な身体が水中から飛び出してくる、それだけでも充分な迫力を予想できると思いますが、実際に目にするとその水飛沫、水中から出てくる勢い、着水したときの豪快な音、その全てが鳥肌ものです。

ちなみにクジラの場合、ジャンプの事はブリーチングといいます。クジラがブリーチングをする理由には諸説あるようですが、これほどまで迫力抜群の光景に理由など不要にも思えます。ぜひ一度は実際に目にしてその迫力を感じてみてください。

4.その他のアクション

他にも、仰向けになって胸ビレを水面にたたきつけるフリッパーフロップ、水面からゆっくり浮上して辺りを窺うスパイホップなどクジラの動きには様々なものがありますので、一時たりとも目を離せません。

新しい動きを発見したらガイドさんに尋ねてその名前を教えてもらいましょう。

さらに親子のクジラに出会うことができれば子クジラのアクションを見ることもできるかも。親の真似をして練習する子クジラの姿はとても愛らしいものですよ。

ドルフィンスイムという神秘的体験

ホエールウォッチングというのは、一般的にクジラだけでなくイルカやシャチを見ることも含まれており、小笠原での海のアクティビティでもイルカを見ることができます。

小笠原近海ではミナミハンドウイルカやハシナガイルカ、さらに沖合ではマダライルカ、コビレゴンドウ、ハンドウイルカとかなりの種類のイルカと遭遇できる可能性があります。しかも、そのうちのミナミハンドウイルカとは条件が良ければ一緒に泳ぐこともできるのです。それが3つ目の見どころ、ドルフィンスイムです。

イルカの姿を見ることができる場所は日本国内でも多数ありますが、野生のイルカと一緒に泳ぐことができる場所はかなり限られています。

イルカの群れの進路近くに船をつけ、タイミングを見て船から水中に入ることで、イルカの方から寄ってきてくれるので、泳ぎの得意不得意は関係ありません。といっても、シュノーケルとフィンをつけた状態でもイルカと泳げるのは数秒ほど。当たり前ですが、すぐに置いていかれます。

それでもその数秒はきっと特別な瞬間として心に残ることでしょう。船上から見るという選択もできますが、可能ならばイルカと同じ空間で神秘的な時間を味わってみてくださいね。

以上、小笠原の海のアクティビティの見どころ3つご紹介でした。すでに書きましたが、ツアーに参加したからといって絶景に会えるとは限りません。クジラやイルカが出てこない時もあれば、強風で南島に上陸できないなんてこともあり得るのです。でも、だからこそ出会えた時の感動もより一層特別なものとなるでしょう。

小笠原諸島父島へ、世界遺産の海を堪能しに行ってみてくださいね。

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