小笠原旅行記(1)最悪の状態で始まり、最後は心を打たれ号泣して帰ってきた旅

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おがさわら丸を追いかける船
おがさわら丸を追いかける船

7月中旬から2航海(約2週間)、世界自然遺産小笠原諸島の父島と母島に旅をしてきました。

実はこの旅、最悪の状態からスタート。

でも、最後は今までの旅ではほぼ味わった事のない、なんともいえない熱い気持ちを抱え、号泣して帰ってきました。

言葉にすると陳腐になってしまうから、あまり言葉にできないけど、確実にわたしの記憶の中に

「一生忘れられない色と絵」

を残して帰ってきました。

始まりは最悪。体調不良から始まる船旅。

わたしの小笠原への旅はひょんな縁からスタートしました。

運動神経ゼロ、体力は人の100分の1、インドア、カナヅチで泳げなくて海怖い。

まさに「ザ・女子!」というかんじのわたし。

泳げない(むしろ溺れる)から海にも興味なければ、山を登る体力もなし。そもそも運動が大嫌い。

そんなわたしがアクティビティの宝庫、小笠原に行くなんて自分でもびっくりでした。

今回小笠原では2航海(12日間)の旅だったので、ぎりぎりまで仕事パンパンで、体力的にも精神的にもいっぱいいっぱい。

そんな状態で24時間の船の旅をしたわけです。

乗船前日に筋トレで、全身筋肉痛に

島旅は2週間の予定だったので、体を鍛えなければ! と思い、前日に筋トレをしてしまったのが運のツキ…。

いつものトレーニングよりきついトレーニングだったせいか、全身筋肉痛の状態でおがさわら丸に乗ることになってしまいました…。

おがさわら丸乗船! 酔い止めを飲んだのにおがさわら丸で酔う…

おがさわら丸乗船
おがさわら丸乗船

こんな長時間(24時間)の船旅は、はじめて。

わたしは乗り物酔いをしやすいので、船旅慣れしている人に聞いて、オススメの酔い止め「アネロン ニスキャップ」を買い、乗船前に飲みました

酔い止めアネロン
酔い止めアネロン

…が、見事に乗船3時間で船酔い。

そして前日のひどい筋肉痛のせいで、ベッドに上がるのも痛い、動くのも辛い…。

加えて慣れないお酒を飲んだせいか、小笠原・父島に着いてもずーっと体調不良&ひどい筋肉痛で。

ものすごい最悪な状態からのスタートだったんですよね(笑)

到着翌日、ハートロックへ登山という試練。

到着翌日、縁あって島の方に誘われ、父島の千尋岩(愛称:ハートロック)登山へ行きました。

オガツアーでハートロックに
オガツアーでハートロックに

実はこのハートロック、父島の中でもまあまあ難易度の高い山のようだったのですが、そんなこともつゆ知らず、トレッキングシューズも持たず、山登りスタート。

人の100分の1の体力しかないわたしは、途中リタイヤ、そして終了後すべての体力を使い果たしてぐったり。

この島は体力がない人は楽しめないのかなぁ…と少しナーバスになってしまいました。

父島から嫁島へ船で。初めて海に入る

実はわたし、ちゃんと海に入ったことがありません。

理由は簡単、カナヅチだから。

ハワイではプールで水に浮いた程度、プライベートビーチでは足しかつけたことなく。

そんなカナヅチなわたしが、小笠原の海にはじめてはいるわけです。

もちろん前日の山登りの疲れを引きずったまま…

嫁島で初めて海に入る
嫁島で初めて海に入る

それはもうひどいもので、水は飲む、耳に水が入りまくり、帰りの船では体が冷たいまま風にふかれ、凍えそうになる…

やっぱり海、こわい…(海の水ってしょっぱいし!)

自分の運動神経のなさと、体力のなさを呪うしかありませんでした。

母島でも体力不足でふらふら

体力の限界を抱えつつ、数日後に母島へ移動。

ははじま丸
ははじま丸

この頃になるとだいぶ島の人と仲良くなり、体力がないなぁという事以外は楽しい事が増えてきました。

でもやっぱり体力なしは変わらないわけで。

母島で人生はじめての釣り
母島で人生はじめての釣り

母島に移動してもそれは変わらず、小富士へ山登りしてぐったり、人生初めての釣りをして熱射病になりかけたりとか…ほんと体力がないんですよね(苦笑)

楽しみたいのに体がついていかない。

そんな葛藤をずっと抱えつつ、小笠原の時間を過ごしていました。

疲れを吹き飛ばす、はじめて見る美しい自然

けど、ずっと辛かっただけかというと全然そんなことはなく。

小笠原の美しい景色
小笠原の美しい景色

辛い山登りを終えて頂上で見る景色は感動的だったり

はじめてみる青い青い海の色に心奪われたり

母島、ジブリの世界
母島、ジブリの世界

母島の自然のパワーを感じたり、ジブリの世界に迷い込んだような錯覚に陥ったり。

父島の皆の熱いパワーに胸打たれたり、母島の皆の優しさにじんわりしたり。

体がついてこない、ということ以外は後半やっと旅らしくなってきていたんですよね。

できないことができるようになった!

実は小笠原にきて、人生初! がたくさんありました。

小笠原の海で泳げるようになった
Photo by. Masuo Tomita

人生初、海に入った
人生初、泳げた
人生初、シュノーケリングした
人生初、ウミガメを見た
人生初、満点の星空を見た
人生初、釣りをした
人生初、毎日飲んだ
人生初、海岸の岩場でロッククライミングもどきをした

わたしの人生ではなかったことだらけ。

自分の思いこみで「できない、無理」と思った事が、すべてクリアされていく、不思議な感覚。

カナヅチだったわたしが、ライフジャケットや支えなしで泳げるようにしてもらえたり。

怖かった海が怖くなくなっていたり

変化をたくさん感じて、自分が自分でないようなとっても不思議な感覚になりました。

最後の最後で全てひっくり返された。そして号泣。

小笠原では、見たこともない美しい景色を見たり、はじめて見る絶滅危惧種の動物を見たり、島の人にすごく優しくしてもらったり、たくさんの人の仲良くなったりしたんですが

実は最終日まで

「体力がない、運動音痴なわたしは来ちゃダメな島なのかな」

って思ってました。

この島は体力があって、アクティビティが好きな人しか楽しめないのかな、受け入れてもらえないのかな、って。楽しんだ心の脇にずっとそんな想いが残ってて。

でも、最後の最後で全部、ひっくり返されました。

それはまるで、

オセロの黒が白になるように。

小笠原の海
Photo by. Masuo Tomita

泳げないわたしが最後の日に泳げるようになったこと。

そして、旅立つおがさわら丸を見送る恒例のお見送り。

小笠原では、おがさわら丸が出航する日に、旅立つ人にレイを贈り、また小笠原に来れますようにって祈るんですって。

そんなことつゆ知らず、ぼーっと旅の終わりを噛みしめていたら、島で仲良くなった方がおもむろに目の前でレイを編み始めたんですよね。

レイは魔除けの意味もあるということ、また小笠原に来れますようにって意味があること、ハワイから伝わったものだということ

そんな話を語りながら、純朴な、島の人が目の前でレイを編んでる姿は、見ているだけで涙が出そうになって。

小笠原のレイ
小笠原のレイ

編んだレイをサプライズで首にかけられたとき、今まで生きてきた中でたぶん一番、嬉しかったサプライズプレゼントだ、って感動してしまったんですよね。

さらに追い打ちをかけるように、帰りの港に行ったら、父島滞在時にものすごくお世話になった父島のお母さん的存在、クレセントのお母さんが待っていてくれて。

サプライズで手編みのレイを首にかけてくれて、お母さんから袋いっぱいのお土産を手渡され。

自分の為に手編みしてくれたプレゼントをふたつ手にしたときに、もう涙腺は崩壊していました。

ふだん人前じゃほとんど泣けないのに、涙が止まらなくて、お見送りが始まる前から号泣していて。

なんだ、受け入れてもらえないなんて思っていたのは、わたしの勝手な勘違いじゃないか。

アクティビティができなくたって、体力がなくたって、島にふさわしくないこんなわたしでも、島の人はわたしを受け入れてくれてるんじゃないか、と思ったらもうそれからずっと号泣していました。

小笠原が誇る日本一のお見送り

小笠原お見送りの太鼓
小笠原お見送りの太鼓

「いってらっしゃい」
「また来るね、ありがとう!」

小笠原のお見送り
小笠原のお見送り

船の上から見送る人、見送られる人を見ていたら、小笠原の魅力は自然でもアクティビティでもなく

「人」

なのだとはっきりわかりました。

おがさわら丸を追いかける船
おがさわら丸を追いかけるツアー会社の船

おがさわら丸が出航したら、ツアー会社の船や漁船が、おがさわら丸をずっと追いかけてきて、最後は島の人が海の中にダイブ。

わたしは、最後の見送り船がいなくなるまでずっと手を振っていて、船がいなくなってもずっと泣いていて、何で涙が止まらないんだろう、こんなのずるいよって。

別れ際にこんなことをされてしまったら、一生忘れられないに決まってる。本当にずるい。

そして、きっとまた、小笠原に戻ってくる

驚異のリピート率を誇り、移住者の多さでびっくりする小笠原

なぜ、人が小笠原に惹かれるのか。

それは理屈ではなく、具体的な言葉で語れることではなく

きっとそれは恋に近い感覚なのかもしれなくて

小笠原のレイ
小笠原のレイ

みんなきっと、島に恋してるんだろうなって。

心が打たれたんだろうなぁって。

陳腐な言葉かもしれないけど、語彙のないわたしは、そんな言葉でしか表現できなくて。

理屈じゃなく、感情が動く旅は、生まれてはじめてかもしれません。

今、何か行き詰まりを感じている人、人生このままでいいの? って思っている人、自分って何だろうって悩んでる人。人と自分はなんか違う、って悩んでる人。

もしかしたら長年の恋人と別れた人かもしれないし、会社をリストラされた人かもしれないし。

そんな人が小笠原に行ったとき、もしかしたらひとつの答えがでるのかも、しれません。

小笠原のお見送り船
小笠原のお見送り船

小笠原、こんな運動もできなくて体力もない、ひ弱なわたしを受け入れてくれて、ありがとう。

またぜったい、帰ってくるから!

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