黒島天主堂とあわせて訪れたい!佐世保市内の教会堂(三浦町教会・浅子教会)の歴史に迫る!

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浅子教会外観

 

特集記事でお伝えしてきた、世界遺産の島であり長崎県九十九島の一つでもある「黒島(佐世保市)」。

今回は、その黒島から数多くの潜伏キリシタンやその末裔たちが移住するなど歴史的にも地理的にも関わりの深い佐世保市内の教会にスポットを当て、その歴史をご紹介いたします。

軍港都市 佐世保の発展とともに建てられた教会堂

明治政府により「富国強兵」が謳われた時代、海防力の強化に乗り出した日本で、国家の大プロジェクトとして、4つの都市が軍港として選ばれ、海軍の根拠地「鎮守府(ちんじゅふ)」が設置されました。

その4都市は、横須賀、呉、舞鶴、そして『佐世保』

鎮守府には最先端の工業技術や設備を導入。水道、鉄道などの整備がいち早く進められ、4市は急速な発展を遂げることになります。

佐世保への鎮守府設置後、第二次世界大戦と、朝鮮戦争の勃発などから、軍港都市佐世保とともに、長崎県北部の石炭産業も栄え、これらの地域には、周辺各地から仕事を求める多くの人の流入がありました。

佐世保鎮守府(日本海軍の根拠地として艦隊の後方を統轄した機関)当時の様子

現存する施設からも当時の軍港都市佐世保の様子をうかがい知ることができます。

旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館(佐世保市民文化ホール)

佐世保へ移住した人々の中にはカトリック信徒も相当数存在しており、そのような人々のために、市内各所にカトリック教会堂が次々と建設されます。

その後、太平洋戦争の終戦に伴ともなう海軍の解体やエネルギーの石油への転換による炭鉱の閉山で、信者を含む多くの人々がこの地を去ることになりましたが、残った人々により、教会堂は信仰の証として大切に守られ、今でも市内各所でいくつもの教会堂を目にすることができます。

そのひとつに「三浦町(みうらちょう)教会」があります。

三浦町教会

佐世保駅周辺を見守る「三浦町教会」

1897年(明治30年)に佐世保市谷郷町に佐世保教会が設立され、その後、1931年(昭和6年)に佐世保駅に近い現在の位置に完成したのが「三浦町教会」です。

国道35号線沿いに建つ美しいゴシック建築の教会堂で、2004年には第6回佐世保市景観デザイン賞に選定されています。
実は今も、設計者、施工者共に不明なのだそうです。

また、太平洋戦時下においては、軍港(佐世保港)周辺施設を一望できることから、軍からの監視を受けました。
空襲の目標になりにくい様に、白い外壁にコールタールを塗られ、黒一色となりましたが、1945年(昭和20年)6月28日の佐世保大空襲では焼失を免れた大変貴重な建築物です。

終戦後は外壁も元通りの白い姿に戻され、現在、佐世保駅周辺を見守るランドマークとなっています。

三浦町教会(夜景)

所在地
〒857-0863 長崎県佐世保市三浦町4番25号

アクセス
JR・松浦鉄道佐世保駅から徒歩3分
西肥バス・佐世保市営バス「戸尾町」下車

九十九島を望む「浅子教会」

今回もう1つご紹介するのは、「浅子(あさご)教会」。

実は、黒島の信徒にゆかりのある教会堂です。

浅子教会外観

浅子教会は、西海国立公園九十九島を望む波静かな入江に面した小さな木造の美しい教会です。

信徒のほとんどは、迫害に耐えた潜伏キリシタンの末裔で、
1884(明治17年)頃、黒島の信徒が土地を求めてこの地に移住したのが始まりと言われ、伝統的な長崎キリシタンの信仰を受け継いでいます。

明治25年に仮の教会をつくり、1930(昭和5)年に現在の浅子教会が完成しました。
海に面した自然条件の厳しい中で、建物外壁、開口部等は何度も改修が行われていますが、内部は創建時のものを残しています。

下見板張りの外壁と、正面中央部に三角屋根を突出させた外観が印象的な建物です。

クリスマスには、鮮やかなイルミネーションで彩られ、今も多くの人を魅了しています。

クリスマスイブの浅子教会イルミネーション

所在地
〒857-0863 長崎県佐世保市浅子町232‐4

アクセス
JR佐世保駅から車で約70分

長崎の教会堂は、自由の象徴

今回ご紹介した佐世保市内の2つの教会はもちろん、度々ご紹介してきた黒島の黒島天主堂も含め、長崎にはたくさんの教会が存在しています。

■自由の象徴

長崎の教会堂は、ザビエルがキリスト教を伝えて以来の460年という信仰の歴史を、長く苦しく、辛抱強く担ってきたキリシタンの子孫によって建てられたものがほとんどです。城のような大きな教会堂も小屋のような小さな教会堂も、十字架を堂々と掲げた祈りの場を持てたことの喜びは同じで、優劣はありません。もし皆さんが巡礼地を訪れたら、その地で生きた人々の心の支えとなった信仰の足跡に目をむけるための黙想の時間を作ることをお勧めします。

引用元:カトリック長崎大司教区監修・『ザビエルと歩く ながさき巡礼』(長崎巡礼センター ㈱長崎文献社、2008年)

実際に教会を訪れ、その場でしか感じることのできない空気を体感し、歴史や文化を感じて見るのはいかがでしょうか。

※教会は信者の皆さんにとって大切な祈りの場です。
見学の際は教会でのマナーをよく守り、お互いが気持ちよく過ごせるように心がけましょう。

※ながさき巡礼についてのお問い合せ
長崎巡礼センター
[住所]長崎市出島町1-1-205 出島ワーフ2階 [TEL]095-893-8763

黒島天主堂の見学と保存修理工事について

黒島天主堂

2018年夏、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産のひとつ「黒島の集落」として世界遺産(世界文化遺産)に登録された、長崎県佐世保市黒島にある黒島天主堂(黒島教会)は、今でも祈りの場として使用されています。

見学を希望される場合、下記窓口への事前連絡が必要となります。

連絡先
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター

 

黒島「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」行き方。東京から黒島へのアクセス方法

また、2018年11月から黒島天主堂の保存修理工事実施が決定しています。
安全性の確保を最優先とするため下記の期間中は敷地内への立ち入りが制限されます。
※保存修理工事が開始されるまでは、通常どおり、黒島天主堂の見学は可能。

〇工事期間
2018年11月1日(木)*~2020年10月末まで(予定)
※工事の進捗によっては、工事期間が延期されることがあります。

工事期間中は見学台の一部設置や特別公開が予定されています。


*2018/11/05 編集部追記
平成30年11月1日から黒島天主堂は耐震対策工事期間ではありますが、
工事スケジュールの都合により、天主堂内の見学ができる日程が変更になりました。

変更前)平成30年11月1日以降、黒島天主堂内見学ができません。
変更後)平成30年11月18日以降、黒島天主堂内見学ができません。

※11月17日までの黒島天主堂内見学は、下記まで事前の予約が必要です。
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター
電話 095-823-7650

※11月18日以降については工事の進捗により見学が可能な場合があります。
最新の情報については下記までお尋ねください。
黒島観光協会
電話 0956-56-2311


 

〇見学台の範囲や特別公開の時期についての問い合わせ
〔佐世保市教育委員会 文化財課まで TEL:0956-25-9634〕
平日8:30~17:15〈土・日・祝日休〉

記事作成協力:佐世保観光コンベンション協会
写真提供(一部):ながさき旅ネット、長崎県佐世保市文化財課

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