海面に浮かび上がるサンゴ礁にヤギ料理!~多良間島の魅力を探る

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沖縄離島好きの間でも「一度も行ったことがない」という人が多いちょっとマイナーな島、それが「多良間(たらま)島」です。場所は宮古島と石垣島の間。隆起サンゴ礁ならではの、きれいな楕円形をした真っ平な島です。

多くの離島が観光客でにぎわっていますが、多良間島は空港以外ほとんどお土産屋さんもない状態。
でも観光地化されていない島だからこそ、心からゆったりのんびりくつろげる「島時間」が楽しめるのも確か。南北約4キロ・外周19キロの小さな島ゆえ、車の運転ができなくてもレンタル自転車一台で自由にどこへでも行くことができます。

そんな離島中の離島、多良間島の魅力をご紹介しましょう。

多良間島ってどこにあるの?

多良間島は宮古列島の島のひとつで、宮古島と石垣島の中間あたり。

島へのアクセスは宮古島からの飛行機もしくはフェリーになります。
(下記時刻表・料金は2017年5月時点)

飛行機でのアクセス(琉球エアコミューター)

▽宮古島(宮古空港)→多良間島(多良間空港)

便名宮古空港発多良間空港着
RAC8919:259:50
RAC89715:4016:05

▽多良間島→宮古島

便名宮古空港発多良間空港着
RAC89210:2010:45
RAC89816:3517:00
  • 所用時間25分/1日2往復
  • 普通運賃:片道8,700円/往復11,200円(往復割引適用)

●RAC 琉球エアーコミューター公式サイト

フェリーでのアクセス(多良間海運)

宮古島(平良港)発 9:00多良間島(普天間港)着 11:05
多良間島発 14:00宮古島着 16:05
  • 所用時間は約2時間/1日1往復/日曜運休
  • 旅客運賃:片道2,470円/往復4,690円

●多良間海運公式サイト

多良間島は「牛の島」とも言われ、時期によっては牛セリの関係でフェリー運航スケジュールが変わります。また天候のため欠航となることも多々あり、私も最初に多良間島に向かった時は、残念ながら海が荒れ島に渡ることができませんでした。

多良間空港・普天間港から集落までは4キロほどの距離があり、有償バスでの移動か宿・ダイビングショップの送迎を利用することになります。島には路線バスもタクシーもありませんので注意が必要です。

飛行機なら、朝9時台の便で多良間島に行き、16時台の便で宮古島に戻れば、日帰りで訪れることも可能です。でも可能ならやはり、民宿やゲストハウスに一泊してのんびり過ごしたいところです。宮古島以外からのアクセスはないので、宮古島とセットでまわるのもいいでしょう。

山も川もない隆起サンゴ礁の丸い島

ご存知の方もいると思いますが、奄美群島そして琉球諸島には、大きく分けて2つのタイプの島があります。
まずひとつ目の代表は奄美大島、沖縄本島、西表島など。太古には大陸と陸続きになっていた島々で、陸地は高低差もあり複雑な海岸線を有し、ハブが生息しています。一方、海から生まれた隆起サンゴ礁の島々もあり、その代表が多良間島です。

きれいな楕円形をした多良間島は、山も川もないフラットな島です。

集落の一角にある八重山遠見台に上れば、島全体が見渡せてしまうほど。

そうなると心配なのがやはり「台風」。
遮るものが何もない島は高波と強風にダイレクトにさらされてしまいます。

そのため、島内の集落やサトウキビ畑・牧草地を守るため、島の外周道路の外側は厚みのある防潮林が築かれています。集落も、建物の屋根が埋もれるほどびっしり福木が植えられ、濃い緑色となっています。

山あり川あり入り江ありと変化に富む地形の島ではありませんが、そんなフラットな島ゆえ、自転車で回りやすいというメリットがあります。島の中央部分は見渡す限りのさとうきび畑と牧草地。まっすぐな道を、心地良い風を感じながらサイクリングを楽しむことができます。珍しい鳥や鮮やかな色の花々にも出会えます。

頭部分だけ羽がつんつん尖った鳥。

地面に向かって斜めに開く美しい黄色い花。

外周道路のまわりは防潮林が張り巡らされているため直接海を見ることはできませんが、その代わり至る所に海に通じる道があります。

未舗装の道の両側は樹々がうっそうと茂りトンネル状。波の音を聞きながらそんな小道を歩いていくと、突如ぱっと目の前が開け、エメラルドグリーンの海と美しい白浜のビーチが現れます。

集落周辺以外ならそのほとんどは誰も人がいない「貸切ビーチ」となっているはず。お気に入りの入り江を探して、お昼寝するのもいいですね。

まるで「歩くシュノーケリング」

島全体が海に浮かび上がった珊瑚礁ですが、もちろん島のまわりもびっしりサンゴ礁。

多良間島でぜひ体験していただきたいのは、干潮時の海です。
極端に遠浅な海岸線のため、潮が引くとまるで「海が消えてる!!!」状態に。数時間前まで泳いでいた場所に立っても、海がまったく見えなくなるのです。

例えば水平線近くに黒いシルエットを浮かび上がらせる巨石。

干潮時にはこうなってしまいます。

「どこまで行ったら海があるのか」

そう思って海を追いかけぐんぐん歩いていくと、潮だまりに色とりどりの魚たちが取り残され泳いでいるのが見えます。海中を覗きやすいようシュノーケルマスクなど持参するといいかもしれません。

さらに奥へ行くと驚きの光景が広がっていました。

そう、サンゴ礁です。
海面が下がり、サンゴ礁が露出しているのです。

これ以上進めば、サンダルでサンゴを傷つけてしまうこと必至なので引き返しましたが、他ではあまりお目にかかれない感動的な風景です。シュノーケリング・ダイビングをせず、立ったままサンゴのお花畑と、その間を泳ぐ熱帯魚群を見ることができるのですから。

これはもう「歩くシュノーケリング」とでもいうべき体験でしょう。
サンゴ礁の美しさを心行くまで観察することができます。

ヤギ!ヤギ!ヤギ!

多良間島は、島民より牛の頭数のほうが多い牧牛の島ですが、実は牛の写真をすっかり撮り忘れていたことに後で気付きました。その代わり大量にシャッターを切ってしまったのが「ヤギ」です。
実は多良間島ではヤギも多く飼育されており、ヤギ料理でも有名な島なのです。

人を見定めるとぴたりと動きを止め、どこかミステリアスな眼差しでじっと見据えるヤギたち。
悟りを帯びた目と、どこか人間的な表情に困惑します。

自転車で集落の周辺を走っていると、なぜか道路にもぴょんぴょん飛び出してきます。おそらく紐でつながれた親ヤギのまわりで自由に動き回っている子ヤギたちなのでしょう。

野生化しているヤギもいるそう。
「ヤギをとりにいくぞ」と島のすぐ北にある水納島に行き、疾走するヤギを両腕でがっちり抱え込んで捕獲する多良間島の若者たちの武勇伝話なども夜の居酒屋で島の方から伺いました。

そんな多良間島民が大好きなのが・・・

ヤギ汁。

至福のひと時だそうです。

煮込みに刺身も。
クセも臭みも思ったほどはなく、噛めば噛むほど濃厚な味が広がります。

なかなか他では食べられない料理もありますので、多良間島に行った際にはぜひご賞味を。
強壮薬効食としても知られ「精がつく」と定評の高いヤギ肉は、夏バテ防止にも効果がありそうです。

地元料理を体験してみたいなら、多良間島の集落にある居酒屋「凪」。
ここで地元の方が飲んでいたのは、宮古島の泡盛「琉球王朝」でした。

宮古島には、親役の人が口上を述べて酒を回し飲みする独特の酒文化「オトーリ」がありますが、多良間島では「イチナー」と言います。なぜこうした酒文化が発達したのかや、ヤギの話、武勇伝など地元の方のお話を聞きながら、何度も大笑いし盛り上がった夜。島の人との交流も、観光客が少ない離島ならではの楽しみです。

きっと喜ばれる!多良間島のお土産

最後に多良間島で買えるお土産の紹介です。
島内にスーパーはありますが、いわゆる観光客向けのお土産ショップ的なものはほとんどありませんので、買うなら空港のお土産ショップ。飛行機が飛び立つ時間帯だけ開いているので、帰りは少し早めに空港に向かいましょう。

おススメがこの「ぱなぱんびん」。
「ぱな」は花、「ぱんびん」は揚げ菓子の意味です。素朴なのに食べ始めるとついつい止まらなくなる癖になる味。価格もリーズナブルなので、多めに買っていって、気軽にばらまくことができます。

この島に移住して塩作りに取り組んでいる方が作った完全天日干しの塩もお土産に喜ばれます。
いろいろな味の塩が販売されていて、スタッフの方がいれば味見も可能です。

独特の甘みもある塩は絶品。
そんな塩作り職人・長岡さんを取材した記事を見つけました。

●琉球朝日放送 報道制作部 ニュースQプラス「塩のこと教えマース!! 多良間・再起誓う塩職人」

運が良ければ空港でご本人に会うことができます。

+ + +

多良間島の魅力はこれだけではありません。

「集落を少し離れたさとうきび畑から見上げる満点の星空」
「変化に富む海中風景を楽しめるダイビング」
「継承されてきた伝統芸能、八月踊り」
「陽気な島の人たち」

いつかぜひ、宮古島からちょっと足を延ばして多良間島に上陸してみてください。
哲学的な目をした山羊たちが歓迎してくれるはずです。

§ 写真と体験談は2015年5月に2泊3日で多良間島を訪れた時のものです

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